がんの検査

 

治療費のことを先に書きましたが、がんの検査についても少し触れておきましょう。当然ながらまずは、がんかどうか判断するための診断を受けます。

 

診断後は、対象の部位、大きさ、形状などの特定検査をすることになり、血液・尿の検査、腫瘍マーカー測定、胃、大腸、肺などの内視鏡検査、CTやMRIなどの画像診断検査などが行われます。最近は遺伝子検査も抗がん剤が効くかどうかを事前に判定するために行われています。

 

気になるのは患者の負担が大きくなりがちな検査の費用ということになりますが、検査種別としては、内視鏡、エコー、エックス線、断層撮影、生検などが想定されます。

 

胃がんを対象とした場合なら内視鏡で食道・胃・十二指腸を見ます。これはレンズが先端に装着された細いグラスファイバー管を口から挿入して内部を観察し、撮影しますが、費用は、組織採取をしない場合で17,730円、組織採取をする場合は31,530円となっています。

 

大腸がん(結腸がん、直腸がん)では大腸ファイバースコピー(大腸内視鏡検査)を使います。これは肛門からグラスファイバー管を挿入して検査します。大腸の部位や組織採取の有無などで費用は変わりますが、組織をとらない場合15,420円~21,920円、組織をとる場合は29,220円~59,120円となっています。

 

このようにいろいろな検査があり、治療する以前に検査でも費用が結構かかるのです。

 

抗がん剤の費用についても気になると思いますが、この費用は単純には答えられません。ある抗がん剤の治療費を計算しようと思えば、患者の身長、体重によって変わり、また、抗がん剤にもいろいろな種類があります。

 

胃がんを例とするなら、剤治療は、手術後の再発予防の目的で行う治療と、手術ができない場合のがんの進行抑制を図る場合でも違います。

 

前者は「S-1」(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウムという経口抗がん剤)を1年間服用しますが、この治療費合計は1,020,600円です。後者では、「シスプラチン+カペシタビン+トラスツズマブ」の1コース3週間のスケジュールで269,220円です。肺がんの抗がん剤では2週間分で50万円以上のものもあるので、抗がん剤の費用はかなり高額になります。